







ハワイに持ち込み可能な食品は何か、ご存知ですか。少し長めに滞在する方は、外食ばかりしているとおサイフにもカラダにも負担が大きくなります。日本食を売っているスーパーなどもありますが、当然、日本から輸入するので輸送費や関税などで高くなります。
日本から持ち込めるものは持ち込んだほうがおカネを節約できます。
ハワイに持ち込み可能な食品を考えるにあたって、2つの関門があります。
- 飛行機に乗るとき(TSA:アメリが合衆国運輸保安庁)
- 入国するとき(USDA:米国農務省)
本記事では、この2つの関門をそれぞれ見ていきます。
本記事を読んでいただきたい読者
- ハワイに持ち込み可能な食品がわからなくて悩んでいる方
- ハワイでコンドミニアムやキチネットなどに宿泊する方
本記事を書いている僕はこんな人
- ハワイ渡航歴9回
- ハワイ滞在歴延べ88日
- コンドミニアム滞在3回(パシフィック・モナーク、アストン・アット・ザ・ワイキキ・バニアン、アイランドコロニー)
- キチネット1回(オハナ・ワイキキ・ウェスト)
- 電子レンジの使えるホテル滞在4回(パシフィック・ビーチ・ホテル x 3回、オハナ・ワイキキ・マリア)
* コンドミニアム、ホテルの名称は宿泊当時のものです
目次
ハワイに持込可能な食品【2020年最新版】TSAのルール
TSAは航空保安上、危険性があるかないかの観点で検査しているので、ハワイに持ち込む以前に飛行機に持ち込めるか持ち込めないかという話です。まずは第1関門として、飛行機に持ち込めるかどうかを考えます。
お急ぎの方は次のチャプターにジャンプしてください。
TSA(TRANSPORTATION SECURITY ADMINISTRATION)ホームページでは、6ページにわたって記載されています。TSAなので、ハワイに限らずアメリカ合衆国全体のルールです。
違反する物が受託手荷物(空港で預ける荷物)に入っていた場合、勝手に没収されていることがあります。TSAの権限なのであきらめるしかありません。
海外に持っていくものは、最悪の場合、没収されることを覚悟してください。極力、大事なものは持っていかないことが重要です。
アルコール飲料
ビールなどは、日本のビールもハワイに売っていますし、店によっては日本よりも割安な場合もあります。
とくにこだわりがなければ持っていく必要がないでしょう。なにより重いですからね。
アルコール飲料は、アルコール度数によって制限が異なります。
- 24%以下
- 24%を超え、70%以下
- 70%を超える(穀物アルコールや151 proofラム酒を含む)
区分別に見ていきます。
24%以下
機内持ち込み手荷物:100 mL 未満ならOK
受託手荷物(空港で預ける荷物):重量制限の範囲内で制限なし
24%を超え、70%以下
機内持ち込み手荷物:100 mL 未満ならOK
受託手荷物(空港で預ける荷物):1人あたり5リットル(1.3ガロン)
70%を超える(穀物アルコールや151 proofラム酒を含む)
機内持ち込み手荷物:不可
受託手荷物(空港で預ける荷物):不可
詳細はFAA規則 49 CFR 175.10(a)(4)を参照。
このように、かなり細かく決められています。
ぜんぶ書くと膨大な量になってしまいますので、僕なりの切り口でまとめます。
機内持ち込み手荷物でも受託手荷物でも持込可能な食品
原文は順番がバラバラなので、僕の基準で並び替えました。
- 乳児用食品、粉ミルク、母乳(合理的な量を手荷物に入れてよい。X線検査のときは他の手荷物とは別にする)
- パン
- サンドイッチ
- ピザ
- パイおよびケーキ
- シリアル
- ドライフルーツ
- 固形食品
- 産みたてのタマゴ(=生タマゴ)
- 缶詰
- チーズ(固形)
- チョコレート(固形)
- アメ
- ナッツ
- スナック菓子
- 塩
- スパイス(乾燥)
- お茶(乾燥ティーバッグ、
- プロテインおよびエナジーパウダー
- ペットフード(ドライタイプ)
液体や液状物
「なんでこんなものが?」というものもありますが、機内食もこのルールに従わないといけないからですね。
機内持ち込み手荷物:100 mL 未満
受託手荷物(空港で預ける荷物):重量制限の範囲内で制限なし
- 乳児用飲料水
- 乳児用ジュース
- ボトル詰めの水
- ジュース
- コーヒー
- 炭酸水
- クリームチーズやスプレッド(マーガリンなど)
- チョコレート
- 肉汁(グレービー)
- スープ
- ヨーグルト
- アイスクリーム
- フムス*
- はちみつ
- メープル・シロップ
- クリーム状のディップ
- ジャムおよびゼリー
- ピーナッツバター
- 油および酢
- ドレッシング
- サルサおよびソース
- ペットフード(ウェットタイプ)
*フムス:ホンモス、フンムス、ハマスなど、いろいろな呼び方があるようです。ヒヨコマメにオイル、ガーリックなどを混ぜたベージュ色のペーストです。名前は知らなくても見たことはあると思います。
冷凍食品や保冷剤
完全に凍った状態ならOK、少しでも溶けていたら不可
上記の項目のそれぞれについて、さらに細かいただし書きがありますが、割愛します。
スーツケースの中にこんな紙が入っていたら、スーツケースを開けて中をチェックしたという意味です。何か無くなっているかもしれません。
ハワイに持込可能な食品【2020年最新版】USDAのルール
TSAのルールを見てみると、ハワイに持込可能な食品は意外に多く感じます。
さて、ここからが問題です。
飛行機に持ち込めても、ハワイに持ち込めるかどうかは別の話です。アメリカの税関国境保護局(CBP)や米国農務省(USDA)のルールで、かなり細かく書かれています。全部を網羅することはむずかしいですが、できるだけくわしく説明します。
USDAのルールを大きく分けると、下記の4種類があります。
USDAのルール
- フルーツや野菜
- コーヒー、お茶、はちみつ、ナッツおよびスパイス
- 乳製品およびタマゴ
- 肉、家禽(鳥)の肉および海産食品
フルーツや野菜
フルーツや野菜
- 加工していないもの:不可
- 冷凍:不可
- 缶詰:商用のものは可、家庭で缶詰めにしたものは不可
- 乾燥したもの:不可(下記は例外として持ち込み可能)
(例外)
豆類、デーツ(乾燥ナツメヤシの実)、ナッツ(いちじく、クリ以外)、オクラ、エンドウ豆、レーズン、四川省のコショウの実
コーヒー、お茶、はちみつ、ナッツおよびスパイス
コーヒー、お茶、はちみつ、ナッツおよびスパイス
- コーヒー
- 煎りコーヒー=制限なし
- コーヒー生豆=制限なし・・・ハワイから本土に持っていくのはダメ。もし病害虫が見つかったら没収して破壊
- コーヒーの実全体 / 別名コーヒー・チェリー:持ち込み禁止
- コーヒーの種、他の植物の一部:持ち込み禁止
- 緑茶、黒茶
- 茶葉単品(Camellia sinensis:学名・植物:茶、チャノキ・・・黒茶、緑茶、烏龍茶、白茶、黄茶を含む):制限なし
- ハーブティー / 薬草の煎じ薬
- はちみつ
- ナッツ
- スパイス
制限なしでも必ず申告が必要です。
無理して持ち込まず、できるだけ現地で買いましょう。
乳製品およびタマゴ
「口蹄疫」がポイントです。
持ち込み可能であっても、証明書が必要な物もあり、空港での検査が面倒になります。通常の観光旅行であれば持ち込まないのが無難です。
遠慮なく持ち込み可能なものは乳幼児のミルクで、密閉、ラベル付き、保存性、適度な量というのがポイントです。
以下に細かくみていきましょう。
- 口蹄疫(FMD:foot-and-mouth disease)のある国からの牛乳や乳製品は許可されません。
(日本から行く場合は問題ありませんが、ほかの国を経由していくときは注意が必要です)
3つの例外
- 乳幼児用の液体ミルクや乳製品は:5〜7日間の使用に十分な程度の少量のみ許可(severalを5〜7と訳しました)
- 粉または乾燥ミルク(乳幼児の調製粉乳、ベーキング・ミックス、スープ・ミックス、ドリンク・ミックス):適切にラベルされていれば少量のみ許可(ラベルされている=ラベルの表示が付いていて未開封という意味か)
- ラベルの付いた商用パッケージ、調理済み、貯蔵安定性、完全に調理された未開封のパッケージ入りの食品:許可
旅行者は口蹄疫のない国からの牛乳や乳製品を持ち帰ることができます。ただし、原産国の公式な証明書が必要です。
公式な証明書・・・パッケージのラベル、書面、旅行の証明(パスポートまたは旅行日程)、飛行機の搭乗国、購入時のレシート、係員との面談に基づくCBP文書、食肉検査証明、生産地証明書
例外
下記の品目はどの国からも持ち込み可能です。
- バター
- バターオイル
- 固形のハードチーズまたはソフトチーズ(チーズに肉や液体のような漏れがないこと。 例:リコッタ・チーズ、カッテージ・チーズは不可)
ラクダ乳
「USDAに直接問い合わせ」と書いてありますが、持っていく人はいないでしょう。
母乳
「USDAは母乳を制限していません。詳細はFDA(301- 796-0356)に連絡してください」と書いてありますが、普通に日本人が電話しても
早口でまったくわからないでしょう。
母乳はOKと考えてよいと思います。
肉、家禽(鳥)の肉および海産食品
牛乳と同じように、
- 口蹄疫
- 牛海綿状脳症 (BSE)
- 豚水胞病(SVD)
- 豚コレラ
- アフリカ豚熱
といった家畜の病気を持ち込ませないようにしています。まるごと書いてしまうと単なる翻訳になってしまいますので控えます。
通常の旅行であれば、肉類や海産物を持っていくことはないと思われます。他のブログで、カップラーメンに入っている肉のエキスも規制の対象と書いている方もいらっしゃいます。いずれにしても、とにかく申告することで最悪の状況は避けられるので、必ず申告しましょう。
ハワイに持ち込み可能だった食品(僕の経験)
僕がハワイに持っていった写真を載せます。

菓子類

インスタント食品
左下に写っているものはレンチンご飯です。

缶詰め

調味料など
運良く持ち込めてしまいましたが、オススメはしません。前のチャプターにも書いたように、申告せずに見つかると痛い目に遭うので必ず申告しましょう。以前は、あらかじめTSAのチェックが入っているせいか検疫は緩かったですが、2020年のパンデミックの影響で取締りが厳しくなることが予想されます。
探知犬も活躍しているので、人間の目はごまかせても犬の嗅覚で見つかってしまうでしょう。テロや感染症が発生するたびに手荷物審査が厳しさを増してきた経緯もあります。持ち込まないことをオススメしますが、持ち込む場合はあくまでも自己責任でお願いします。
USDAの植物検疫のページには、
レシートと農産物がその国の原産であることの証明になるので、農産物の元パッケージを剥がさずに持っていくことをオススメします。
赤く囲んだ部分には、
持ち込む農産物をぜんぶ申告していれば、たとえ持ち込みできないものを持っていても罰せられることはありませんよ。
と書いてあります。
つまり、申告しないで持ち込んで見つかったら罰せられるよ、ということです。
まとめ
ハワイに持ち込み可能な食品を検討するには、2つの観点から考える必要があります。
- 飛行機に持ち込めるか(TSAの規制)
- ハワイに持ち込めるか(USDAの規制)
飛行機に持ち込めるかどうかは、安全性の問題で、たとえば、アルコール度数の高いお酒はこぼれた場合に揮発して引火するおそれがあるといった観点での規制になっています。こちらの観点では、許可されなければ没収される、または捨てる覚悟で持っていきましょう。
ハワイに持ち込めるかどうかは、感染症を持ち込んでしまうおそれや、ハワイの生態系を破壊するおそれがあるかないか、という観点での規制です。こちらの観点では、申告せずに見つかった場合やウソをついた場合に、日本とはちがって、多額の罰金や逮捕といったケースもありえますので十分に注意してください。食品を持っていくときは必ず申告してください。
大きく3つに分けられます。
アルコール飲料
固形食品
液体または液状の食品
いろいろとルールが複雑なので、何も持ち込まないのがいちばんカンタンです。楽しいはずのハワイ旅行が台無しにならないように、持ち込む場合は必ず申告してください。
持ち込んだ食品は消費してなくなりますが、帰りに日本に持ち帰るお土産などにも注意が必要です。
カンタンなのは、持ち込んだり持ち帰ったりするものは、衣類など最小限にして、食品などは現地調達、現地消費が原則。
お土産は話だけで済ませられればそれが理想です。
味気のない話になりますが、ハワイのお土産を日本で購入するサービスもあります。もちろん、それもTSA、USDA、日本の農林水産省のルールに準拠して輸入された商品しか買えません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【出典】
(アメリが合衆国)運輸保安庁(TSA:TRANSPORTATION SECURITY ADMINISTRATION)
アメリカ合衆国税関国境保護局(CBP:U.S. Customs and Border Protection agency)